【試合結果】UFC Fight Night ラスベガス113
- 大会:UFC Fight Night:Bautista vs Oliveira(ラスベガス113)
- 日時:日本時間 2026年2月8日/現地 2026年2月7日
- 開催地:ラスベガス(Meta APEX)
試合前の対戦カードまとめ記事
UFC公式の試合結果はこちらで確認できます。
バティスタが「窒息の手順」でメインを締めた夜
2026年2月、ラスベガスのAPEXで鳴ったゴングは、派手な打ち合いよりも――
「相手の選択肢を削って、最後に首を取る」現代MMAの冷徹さを見せつけました。
メインはマリオ・バティスタが2RにRNCで一本勝ち。
コメインでは堀口恭司がアルバジをスピードと精度で完封。
そして“ブザー1秒前”のギロチンが、この夜のハイライトをかっさらっていきました。
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目次
- バティスタ vs オリヴェイラ
- アルバジ vs 堀口恭司
- オレクシェイチュク vs ベリオー
- マツモト vs バシャラート
- ジャコビー vs ウォーカー
- モロノ vs ドンチェンコ
- ヴィリテンニコフ vs プライス
- ガフロフ vs ヴィクワチ
- シグワ vs カショエイラ
- 総まとめ
1. 【メインイベント】「殴り勝つ」じゃなく「詰ませて首を取る」
- 対戦:マリオ・バティスタ vs ヴィニシウス・オリヴェイラ
- 階級:バンタム級(Bantamweight)
- 結果:2R 4分46秒 一本 RNC(リアネイキッドチョーク)
- 勝者:マリオ・バティスタ(Mario Bautista)
この勝ち方、めっちゃ“現代”です。
一発で倒すより先に、まず相手を「動けない形」に閉じ込める。
そして最後に、首――終了。
派手さは控えめなのに、やられてる側は地獄。
「逃げる」「立つ」「離れる」の選択肢を順番に消されていくから、気づいた時にはもう詰みです。
初心者のための観戦ポイント
- 一本は“首の強さ”じゃなく“位置取りの勝ち”
首を絞めた瞬間より、その前の「相手の体を固定した時間」が勝負です。 - 壁・上四つ・背中…「出口」を塞ぐ順番を見る
攻撃って、実は“逃げ道封鎖の作業”が7割です。 - フィニッシュは「最後の1手」
詰将棋と同じ。勝ち筋は“その前の手順”にあります。
2. 【コ・メインイベント】堀口が見せた「速い = 強い」の証明
- 対戦:アミル・アルバジ vs 堀口恭司
- 階級:フライ級(Flyweight)
- 結果:判定3-0(30-27×2, 29-28)
- 勝者:堀口恭司
「当てて、離れる」。
この当たり前が、速すぎると“防げない”に変わります。
堀口は、踏み込みのタイミング・角度・戻りの速さで、
アルバジの“反撃する余白”をほぼゼロにしました。
相手が前に出ても、当たるのは堀口。
そして気づけば、顔が真っ赤になるほどのダメージが積み上がっていく。
初心者のための観戦ポイント
- 「速い」は“手数”じゃなく“往復の速さ”
当てた後に戻る速さがあると、被弾が減って勝率が跳ねます。 - 打撃戦でも“距離の支配者”が勝つ
殴り合いじゃなく「当たる距離だけ自分が使う」ゲーム。 - 判定は“印象”より“積み上げ”
一発の歓声より、当て続けた事実が強いです。
3. 【ボーナス級】殴り合いは“才能”じゃなく“継続力”で勝つ
- 対戦:ミハル・オレクシェイチュク vs マルク・アンドレ・ ベリオー
- 階級:ミドル級(Middleweight)
- 結果:判定(ユナニマス/29-28×3)
- 勝者:ミハル・オレクシェイチュク(Michal Oleksiejczuk)
この試合が刺さった人、正直センスあるッ!
殴り合いって「気合い」じゃなく、最後は“出力の維持”なんですよ。
削り合いの中で、出す、出す、出す。
止まった方が負ける。
結果、ここはファイト・オブ・ザ・ナイト級の価値がありました。
初心者のための観戦ポイント
- 殴り合いは「当てた数」と「止まらなさ」
綺麗な一発より、減らない圧が勝ちを呼びます。 - “やられても前に出る”は技術
根性じゃなく、崩れないフォームと呼吸が土台です。
4. 【メインカード】バシャラートが証明した「競り合いを制する」IQの高さ
- 対戦:ジャン・マツモト vs ファリド・バシャラート
- 階級:バンタム級(Bantamweight)
- 結果:判定2-1(29-28, 29-28, 28-29)
- 勝者:ファリド・バシャラート(Farid Basharat)
「履歴書マッチ」の結果は、バシャラートの“勝ち切るIQ”に軍配が上がりました。
互いに譲らないハイレベルな展開。
1Rはバシャラートが正確なボクシングでリードし、2Rはマツモトがプレスを強めて盛り返すという、まさに一進一退の攻防。
勝負を分けたのは3Rでした。
疲れが見え始めた時間帯で、バシャラートがここぞというタイミングでテイクダウンを成功させます。マツモトもすぐに立ち上がりましたが、この「コントロールの差」がジャッジの票を分けました。
派手なフィニッシュはなくとも、泥臭い競り合いを確実にモノにする「無敗ファイターのメンタリティ」が光った一戦です。
初心者のための観戦ポイント
- スプリット判定(2-1)の意味
ジャッジ3人中1人が違う勝者を支持するほどの接戦。「ダメージ」と「コントロール」のどちらを重視するかで評価が分かれました。 - 「3Rのテイクダウン」の価値
拮抗した試合では、最後の最後に「俺の方が支配している」とアピールする動きが勝敗を決定づけます。バシャラートの判断力が光りました。
5. 【メインカード】ジャコビーが証明した「修正力」というベテランの武器
- 対戦:ダスティン・ジャコビー vs ジュリアス・ウォーカー
- 階級:ライトヘビー級(Light Heavyweight)
- 結果:TKO(2R 1:42)
- 勝者:ダスティン・ジャコビー(Dustin Jacoby)
「フィジカルで壊せるか?」という問いへの答えは、
「1Rは壊せたが、2Rに“経験”で倍返しされた」でした。
序盤、元バスケ選手でもあるウォーカーの爆発力は脅威でした。
ジャコビーを軽々と持ち上げてスラムし、グラウンドで圧倒する場面はまさに若さの特権。
しかし、ジャコビーは慌てない。1Rを「耐える時間(データ収集)」と割り切り、
2Rに入ると即座に自分の距離(キックボクシングの間合い)に修正しました。
最後は、不用意に距離を詰めようとしたウォーカーに対し、ジャコビーの右がカウンターで炸裂。
「勢い」を「精度」が粉砕した、ベテランらしい逆転劇です。
初心者のための観戦ポイント
- 「悪い時間をどう過ごすか」がプロの差
1Rにボコボコにされても心が折れず、冷静に2Rでプランを修正したジャコビーのメンタルが勝因です。 - ストライカーにとっての“組技”は「凌げればOK」
ジャコビーは寝技で勝とうとせず、「立って殴る」ための防御に徹しました。この割り切りが重要です。
6. 【プレリム】ドンチェンコが衝撃の2戦目、ベテランを「破壊」して完勝
- 対戦:アレックス・モロノ vs ダニール・ドンチェンコ
- 階級:ウェルター級(Welterweight)
- 結果:判定3-0(30-26, 30-26, 30-27)
- 勝者:ダニール・ドンチェンコ(Daniil Donchenko)
「試合を濁らせる」はずのモロノが、何もさせてもらえませんでした。
勝負は1Rで決していました。TUF 33覇者・ドンチェンコの火力が規格外すぎました。
強烈な左フックでダウンを奪うと、パウンドの嵐でモロノを瀕死に追い込み、ジャッジ2名が「10-8(圧倒的な差)」をつける一方的な展開に。
モロノは驚異的なタフネスで判定まで持ち込みましたが、ドンチェンコの重いローキックと的確な打撃に削られ続け、反撃の糸口すら掴めないまま完敗を喫しました。新旧交代を強烈に印象づける一戦です。
初心者のための観戦ポイント
- スコア「30-26」の凄まじさ
通常の完勝は30-27。そこからさらに1点引かれる(10-8のラウンドがある)ということは、「フィニッシュ寸前まで追い込まれた」という証拠です。 - “TUF王者”の期待値
リアリティ番組「The Ultimate Fighter」を勝ち抜いた選手は即戦力。ドンチェンコはその期待を裏切らない、というか超えてくる“バケモノ”ぶりを示しました。
7. 【プレリム】直前変更の荒波を“右→膝→連打”で断ち切ったヴェレテニコフ
- 対戦:ニコライ・ ヴィリテンニコフ vs ニコ・プライス
- 階級:ウェルター級(Welterweight)
- 結果:TKO(1R 1:42)
- 勝者:ニコライ・ヴィリテンニコフ(Nikolay Veretennikov)
当初予定されていたジョゼ・エンヒキ・ソウザ(Jose Henrique Souza)の欠場により、急遽“激闘王”ニコ・プライスがスクランブル発進。
「荒れる」と予想されたこのカードですが、ヴィリテンニコフは冷静そのものでした。
開始直後からプレッシャーをかけてくるプライスに対し、ヴィリテンニコフは真っ向から応戦。
勝負は一瞬でした。プライスが前に出たところに、ヴィリテンニコフの右がカウンターで直撃。
足が泳いだプライスを逃さず、右のカウンター → 追撃の連打(パウンド)で完全に意識を刈り取りました。
スクランブル出場のベテランを、わずか1分台で粉砕する衝撃的なフィニッシュです。
初心者のための観戦ポイント
- 代役出場(ショートノーティス)の残酷さ
準備期間のないプライスは「肉を切らせて骨を断つ」戦法しかありませんでしたが、ヴィリテンニコフの精度がそれを許しませんでした。 - 「肘(エルボー)」の殺傷能力
倒れた相手への追撃の肘は、拳よりも硬く、鋭く突き刺さります。ヴィリテンニコフの冷徹な詰めが光りました。
8. 【今夜の1秒】ヴィクワチの“ブザー締め”が残酷すぎた
- 対戦:ムイン・ガフロフ vs ヤクブ・ヴィクワチ
- 階級:キャッチウェイト / catch weight (141lb)
※ガフロフの計量失敗(141lb)により、バンタム級から変更 - 結果:3R 4分59秒 一本(ギロチンチョーク)
- 勝者:ヤクブ・ヴィクワチ(Jakub Wiklacz)
残り1秒。
普通なら「判定で逃げ切った(or 逃した)」で終わる時間。
でも、ヴィクワチはそこで“終わらせる手順”を間に合わせました。
一本勝ちはもちろん凄い。
でも本当に怖いのは、最後の最後まで「勝ち筋を捨ててない」こと。
相手からすると、精神的にはホラーです。
初心者のための観戦ポイント
- ギロチンは「首」より「姿勢」を狩る
首だけでなく、体勢が折れると一気に極まります。 - 残り時間は“守る”より“作業する”方が強い
逃げる選択をすると、逆に捕まることがあります。 - ブザー前フィニッシュは、偶然じゃなく準備
最終局面でも迷わないのが、勝ち筋の設計です。
9. 【プレリム】シグワが「技術」で「暴力」を制圧、新鋭が見せた安定感
- 対戦:クラウディア・シグワ vs プリシラ・カショエイラ
- 階級:女子バンタム級(Women’s Bantamweight)
- 結果:判定3-0(30-27×2, 29-28)
- 勝者:クラウディア・シグワ(Klaudia Syguła)
「パワーのカショエイラ vs 技術のシグワ」という構図は、シグワが終始冷静にコントロールし続ける展開となりました。
序盤からカショエイラは持ち前の突破力で強引に距離を詰め、一発を狙う“暴力的な”プレッシャーをかけます。しかし、シグワはこれに飲み込まれませんでした。4インチのリーチ差を活かし、正確なジャブとローキックでカショエイラの顔面を血に染め、前進を止め続けます。
カショエイラが崩しにかかる瞬間に、シグワが的確なカウンターやクリンチでリセットする場面が目立ち、終わってみればジャッジ2名がフルマーク(30-27)をつける完勝。ベテランの乱戦に付き合わず、自分の土俵で戦い抜いたシグワのIQが光った一戦です。
初心者のための観戦ポイント
- 「リーチの壁」の攻略難度
リーチが長い選手が外から当て続けると、カショエイラのようなインファイターは近づくまでにダメージが蓄積し、スタミナと心を削られてしまいます。 - 乱戦を拒否する「いなし」の技術
相手が振り回してくる場面で、バックステップやクリンチを使って「付き合わない」こと。これが判定で確実に勝つためのプロの仕事です。
総まとめ:ラスベガス113が残した「3つの教訓」
初心者が「ここだけ」見れば通ぶれる!今回の3つのポイント
-
勝ち方は“派手さ”じゃなく“手順”で決まる
一本も判定も、勝者は「出口を消す順番」が上手い。 -
速さは才能じゃなく“距離の管理”
堀口みたいに「当てて離れる」を高速化すると、相手は反撃できなくなる。 -
フィニッシュは“最後の瞬間”じゃなく“その前の設計”
ブザー1秒前でも極まるのは、最後まで勝ち筋を捨てないから。
次に見るときは、当たった瞬間じゃなく「当たる前の位置取り」に注目してみてください。
観戦の解像度、ガチで上がりますッ!
