Syun’s Octagon Academy

クリンチ&壁際レスリングが一瞬で分かる用語集20選

MMA

MMAやUFCを見ていて、
「壁でゴチャゴチャしてるけど…今どっちが有利?」
ってなるのは、むしろ正常です。

組み・テイクダウンは“壁の世界”。
打撃みたいに「当たった/倒れた」が一瞬で見えにくいので、初心者ほど情報が多く感じます。

この記事のゴールは暗記じゃありません。
「今、相手は何をしたいのか?」を“見える化”することです。

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目次


まずはこれだけ見て:壁の世界3つのチェック

Three Wall Worlds

最初は「1試合=1テーマ」だけでOK。見る情報を絞るほど理解が残りやすい。

チェック①:壁(ケージ)をうまく使ってるのはどっち?

逃げ道(角度)を消せる側は、次の動き(倒し/離脱/肘膝)につなげやすい。

チェック②:「入口」が出た?(脚 or 腰を捕まえた瞬間)

目印は、脚に触れた(足首・膝・太もも)/または腰回りをロックした(ボディロック等)瞬間。
「腰・太もも・膝に触れたら全部タックル確定」ではなく、入口は複数ある。

チェック③:腕の内側+頭の位置を取れてる?

アンダーフック/2-on-1(ロシアン)で内側を取れると相手を動かしやすい。
さらに頭の位置(頬〜あご下で“圧”を作る)が取れると、角度が作れて展開が起きやすい。

採点の超重要メモ:ユニファイド・ルールの採点は、基本的に有効な打撃/有効なグラップリングが最優先。
「押し込んでる」「ケージで上を取ってる」などのコントロール(位置取り)だけは、それ自体で点が伸びるとは限りません。
壁の攻防も、ダメージ・展開・サブミッション脅威に繋がっているかが評価の分かれ目です。


よくある勘違い(これを直すと一気に分かる)

misunderstanding
  • 勘違い1:壁で止まってる=休憩(実際は、差し・姿勢崩し・足の位置取りが続いていることが多い)
  • 勘違い2:タックルは勢いだけ(実際は、入口・角度・頭の位置で成功率がかなり変わる)
  • 勘違い3:倒れたら終わり(実際は、立ち上がり vs マットリターンが次の勝負)

勘違い1

見た目は“動いてない時間”でも、実際は差し合い(アンダーフック/脇差し)姿勢崩し(頭の位置・肩の圧)、そして足の位置取り(内側を取る・相手の足を塞ぐ)がずっと進行中です。
ここで主導権を取った側が、次の「タックル」「崩し」「離れて打撃」に繋げやすくなるので、壁は休憩じゃなく準備と奪い合いのメインステージだと思うと一気に見えます。

勘違い2

タックルは“突っ込む根性”よりも、成功率を左右するのは入口(どのタイミングで入るか)角度(正面じゃなく斜め)頭の位置(相手の胸の下に当てて姿勢を起こさせない)です。
同じスピードで入っても、頭が外に流れたり角度が真っすぐだと切られやすい。逆に、角度と頭がハマると“軽く入ったように見えて”一気に崩せます。

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勘違い3

倒れた瞬間はゴールじゃなく、そこからは立ち上がり(ウォールウォーク/ベース作り)と、相手のマットリターン(持ち上げて叩き落とす・足を刈って戻す)の勝負が始まります。
立つ側は“壁を使って体を起こす”、倒す側は“腰を離さず足を回収する”。この攻防が続くと、観客が「まだやってる…」と思う時間が、実は体力と主導権が一番削れる局面だって分かってきます。

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20個の用語解説

20 glossaries

読み方はこれだけ。
①何?
②観戦ポイント
③狙い

の順で見ればOK。
全部読まなくていいので、気になった単語から拾ってください。

1. ケージレスリング(Cage Wrestling)

  • 種類:ケージ際の組み・コントロール(Clinch / Cage Control)
  • 何? ケージ際で押し込み・腕の取り合い・崩しをして主導権を争う攻防
  • 観戦ポイント:相手が「回れない」「姿勢が起きない」状態になってるか
  • 狙い:逃げ道を消して、タックル・投げ・膝・肘につなぐ

2. ケージ押し込み(Cage Pressure)

  • 種類:ケージ際の圧力・位置取り(Cage Pressure / Positioning)
  • 何? 相手をフェンスに押し付けて動きを制限する
  • 観戦ポイント:押してるだけか、腕の内側/頭の位置で角度を作れてるか
  • 狙い:相手の足を止めて、倒し・膝肘・離脱を作る

3. アンダーフック(Underhook)

  • 種類:差し合い・インサイド支配(Inside Control / Pummeling)
  • 何? 相手の腕の内側から、自分の腕を差し込む形
  • 観戦ポイント:片側だけか、両側まで入ったか(ダブルアンダー)
  • 狙い:相手を起こす/動かす → 崩し・テイクダウンへ

4. オーバーフック(Overhook)

  • 種類:差し合い・抑え(Overhook Control / Clinch Control)
  • 何? 相手の腕の外側から、被せるように抱える形
  • 観戦ポイント:相手の差し(アンダー)を潰せてるか
  • 狙い:タックルの形を壊す/投げや崩しへ

5. ウィザー(Whizzer)

  • 種類:タックル防御(Takedown Defense)
  • 何? 強いオーバーフックで、相手のタックル(特にシングル)を潰す防御
  • 観戦ポイント:相手の頭が下がる/腰が離れる/前進が止まる
  • 狙い:倒されない → 体勢を戻す → 離脱(または切り返し)

6. ダブルアンダー(Double Underhooks)

  • 種類:クリンチ支配(Dominant Clinch)
  • 何? 両腕ともアンダーフックで内側を取る強い形
  • 観戦ポイント:腰が近い/相手の姿勢が起きるほど、持ち上げ・崩しに移りやすい
  • 狙い:投げ・外掛け・ボディロックに直結

7. ヘッドポジション(Head Position)

  • 種類:姿勢・角度の支配(Posture Control / Angle Control)
  • 何? 頭の位置で、押す方向と角度を作る(※ヘッドバットではなく“圧”の位置取り)
  • 観戦ポイント:頭が相手の頬〜あご下あたりで「横向きの圧」を作れてるか
  • 狙い:姿勢を崩す → 角度を作る → 倒しやすくする

8. パメリング(Pummeling)

  • 種類:差し合い(Hand Fighting / Pummeling)
  • 何? 腕を入れ替えながら、内側(アンダー)を取り合う動き
  • 観戦ポイント:腕が忙しく動いてたら、主導権争い中
  • 狙い:有利な形(両差し、2-on-1)を作る

9. カラータイ(Collar Tie)

  • 種類:首のコントロール(Head Control)
  • 何? 首・後頭部をコントロールして相手の姿勢を崩す組み
  • 観戦ポイント:相手の頭が下がると、膝が入りやすくなる
  • 狙い:姿勢破壊 → 膝・肘 → 崩し・倒し

10. 2-on-1(Two-on-One)

  • 種類:片腕支配(Arm Control / Two-on-One Control)
  • 何? 相手の片腕を自分の両手で押さえる形(ロシアンタイとも)
  • 観戦ポイント:相手の片腕が“使いにくい”状態(差し返し・打撃が出しにくい)
  • 狙い:相手の選択肢を減らす → 角度を作って崩す

11. ボディロック(Body Lock)

  • 種類:腰回りの支配(Body Lock Clinch)
  • 何? 腰回りを抱えてロックする
  • 観戦ポイント:手が背中側で組めると強い(ロックが固い)
  • 狙い:外掛け・投げ・マットリターン

12. レベルチェンジ(Level Change)

  • 種類:タックルの入口(Takedown Entry)
  • 何? 体の高さを変える(しゃがむような動き)
  • 観戦ポイント:直後に脚へ触りに行くか、角度を切りに行くか
  • 狙い:タックルの入口を作る

13. シングルレッグ(Single Leg)

  • 種類:テイクダウン(Takedown)
  • 何? 片脚を抱えて倒すタックル
  • 観戦ポイント:相手がケージで回れなくなる(角度が消える)と危ない
  • 狙い:倒す/ケージで成功率を上げる

14. ダブルレッグ(Double Leg)

  • 種類:テイクダウン(Takedown)
  • 何? 両脚をまとめて抱えて倒すタックル
  • 観戦ポイント:腰が近いほど強い(相手に腰を引かれると止まりやすい)
  • 狙い:一気に倒して上を取る

15. ハイクロッチ(High Crotch)

  • 種類:タックル侵入(Takedown Entry)
  • 何? 肩を深く入れて、片脚〜腰に触りに行く侵入の形
  • 観戦ポイント:肩が深く入ると、相手の腰が浮きやすく崩れやすい
  • 狙い:シングル・ダブル・バック取りへ派生

16. ニータップ(Knee Tap / Knee Pick)

  • 種類:崩し(Takedown Setup / Off-balancing)
  • 何? 膝(または膝裏)を“タップ/ピック”してバランスを崩す倒し方
  • 観戦ポイント:上半身(差し・首・2-on-1)で姿勢が崩れていると決まりやすい
  • 狙い:安全に倒す/繋ぎに使う

17. アウトサイドトリップ(Outside Trip)

  • 種類:足技のテイクダウン(Trip / Takedown)
  • 何? 相手の脚の外側に自分の脚を掛けて倒す(外掛け系。柔道の小外掛けに近い形も含む)
  • 観戦ポイント:相手の体が傾いて、足がそろい気味/踏ん張れない瞬間に決まりやすい
  • 狙い:押し込みから倒して上を取る

18. マットリターン(Mat Return)

  • 種類:コントロール継続(Ride / Control)
  • 何? 相手が立って逃げても、もう一回倒す
  • 観戦ポイント:相手が立った瞬間に腰が高いと戻されやすい
  • 狙い:逃がさない/消耗させる/支配を積む

19. スプロール(Sprawl)

  • 種類:タックル防御(Takedown Defense)
  • 何? タックルに合わせて脚を後ろに引き、体重で潰す防御
  • 観戦ポイント:腰が下がる/相手の頭が下がる/手が脚から離れ始める
  • 狙い:倒されない → 押し返す/背中を取りに行く

20. フェンスディフェンス(Fence Defense)

  • 種類:壁際の防御(Cage Defense / Wall Work Defense)
  • 何? ケージを使って倒されにくくする技術
  • 観戦ポイント:背中をベタ付けせず、体を斜めにして回れるか(正面で固まるほど不利)
  • 狙い:倒されない → 離脱して打撃に戻る

よく出る「壁のパターン」3本(初心者はこれだけ)

wall pattern

壁際の攻防って、初見だと「押してるだけ」「動いてないだけ」に見えがち。
でも実際は、①角度②頭の位置③脚に触れる瞬間で勝負が一気に動きます。

ここでは難しい分岐は捨てて、試合でめちゃくちゃ出る“定番3パターン”だけに絞りました。

観戦のコツはシンプルで、1試合につき1パターンだけ追うこと。
「いまAっぽい」「B来た」「Cで止めた」くらい判定できるようになると、壁の時間が“退屈”から“情報量えぐい”に変わります。

A:押し込み → レベルチェンジ → シングル

  • 狙い:壁で逃げ道を消して、脚を拾う
  • 見どころ:相手が横に逃げない → 角度が付く → テイクダウンが近い

B:両差し/ボディロック → 外掛け(アウトサイドトリップ)

  • 狙い:上半身を固定して、足を刈る
  • 合図:相手の足が一瞬そろう(踏ん張れない)→ その瞬間に外掛け

C:タックルされる → ウィザー/スプロール → 体勢を戻す

  • 狙い:まず止めて、主導権をリセット
  • 見どころ:相手の前進が止まる → 腰が守れる → 正面に戻れたら成功
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クイズ(観戦力チェック)

quiz

ここからは“知識の確認”じゃなくて、映像から状況判断できるかのチェックです。

ルールは簡単:1問30秒、答えは短くてOK。
もし迷ったら「今どっちが得してる?」を、内側・頭・角度の3点だけで決めにいってください。

このクイズがサクッと解けるようになると、壁際の時間が「ゴチャゴチャ」から「はいはい、今これね」に変わります。
つまり、あなたの観戦眼に“解像度ブースト”が入ります。

  1. ケージ際で「押してる側」が必ず有利じゃない理由は?(ポイントは3つ+おまけ1つ)
  2. レベルチェンジが見えたら、次に起きやすい展開を2つ言うと?
  3. 2-on-1を作ると、相手の何が減る?(一言で)
  4. ウィザーが効いているとき、見えやすいサインは?
  5. 相手が立っても“もう一回倒す”行為の名前と狙いは?

クイズの答え

answer

答え合わせパートです。

正解は“知識”じゃなくて、映像で同じサインを拾えるかが本番。
見る場所は3点(内側・頭・角度)に固定して、当てはまった瞬間に「今のは評価が伸びる動き/伸びにくい動き」を判断してください。
ここを押さえると、壁の時間が“休憩”から“採点が動く場面”に変わります。

  1. 答え:内側(差し)/頭の位置/足の角度が取れていない押し込みは、ただの力比べになりやすく、押し込みが有効な打撃・有効なグラップリングに繋がっていないと、評価が伸びにくい
  2. 答え:脚を取りに行く(シングル/ダブル)/角度を作って崩す(背中へ回るなど)
  3. 答え:相手の「片腕の自由」が減る(差し返し・打撃が出しにくい)
  4. 答え:相手の頭が下がる/腰が離れる/前進が止まる
  5. 答え:マットリターン。狙いは「逃がさない」「疲れさせる」「支配を積む」

今日の観戦ミッション(やること3つ)

Spectator mission

ここからは“観戦しながら実行するチェックリスト”です。
欲張るほど目が散って、結局なにも残らないので、ルールは固定:1試合につき1テーマだけ

まずは上から順に、映像で拾えるサインだけを追ってください。
試合が終わったら30秒だけ復習して、理解をその場で定着させましょう!

おすすめの順番(これだけ見てOK)

  1. 内側+頭の位置(差し・アンダーフック・2-on-1+ヘッドポジション)
  2. 入口(脚に触れた/腰をロックした瞬間)
  3. 壁の使い方(逃げ道を消してる/角度が付いてるか)

試合後(30秒):クイズをもう1回だけ解く

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まとめ

summary

最後に要点だけ、頭に残る形で回収します。

壁際の攻防は「押してる/押されてる」の見た目より、内側・頭・角度という“中身”で主導権が決まりやすい。
さらに入口は1つじゃなく複数あって、どの入口が開いたか分かると次の展開が読めます。
このまとめを押さえれば、次の試合から壁の時間が“退屈”じゃなく“読み合い”として見えてきます。

壁際は「押してる側」より、内側・頭・角度を取れてる側が主導権を握りやすい

押して見えても、勝負は“中身”。
内側(差し)で体を起こし、頭で姿勢を崩し、角度(斜め)を作れた側が展開を作りやすい。
ただし、打撃・ダメージ・有効なグラップリングが絡むと話は逆転する。

「触れたら入口」ではなく、「入口が複数ある」と覚える

脚に触れた入口(シングル/ダブル)もある。
腰をロックする入口(ボディロック)もある。
入口を見つけると、その後の展開が読みやすくなる。

アンダーフック/2-on-1は、主導権を作るサインになりやすい

相手の腕をコントロールできる形は、相手の選択肢(差し返し・押し返し・回り込み)を減らせる。
だから「形ができた側」が次の展開を作りやすい。

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