寝技ポジション20選|ガード〜バックを「地図」で理解
寝技って、初見だと地図なしでダンジョン突入みたいなもんです。
「え、今どこ?」「どっちが有利?」「なんで殴れるの?」って迷子になるのは正常。
でも大丈夫。
寝技は“技名の暗記”より先に、ポジションの地図を持てば一気に読めます。
たとえるなら、ゲームで言うミニマップ解放。景色が同じでも「今ここ」「次ここ」が分かるやつ。
この記事は、実況・解説で頻出する寝技ポジションを20個で、超短く整理した“地図回”です。
ゴールはこれだけ:
「今どこ? → 次なに狙ってる?」を言語化できること。
- 上(トップ)/下(ボトム)の構図が一瞬でわかる
- パス/スイープ/極めの「次の一手」が見える
- 採点で評価されやすい「有効打・有効な組技」に繋がる場面の見所が増える
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目次
- まずは結論:初心者は「5つ」だけ覚えればOK
- まずはこれだけ:寝技を読む「3秒チェック」
- 採点の超ざっくり補足
- 寝技の地図
- 寝技:ポジション20選
- 観戦力が一気に上がる「見るポイント」3つ
- 定番の流れ3本(これだけ覚えると試合が読める)
- 30秒クイズ(定着させる最短ルート)
- さらに復習(1分)
- まとめ:寝技は「地図」が9割
まずは結論:初心者は「5つ」だけ覚えればOK
全部覚えなくてOK。
最初はこの5つが分かるだけで、寝技パートが“映像”から“情報”に変わります。
- ガード(Guard):下の選手が脚で上の相手を止められてる
- ハーフ(Half Guard):下の選手が脚で上の相手の片脚だけ絡んでる(攻防の分かれ道)
- サイド(Side Control):下の選手が脚で挟めない=だいぶ苦しい
- マウント(Mount):上の選手が下の選手にまたがる=MMAだと危険度高い
- バック(Back Control):背中=チョーク最短ルート
この5つが「地図の主要都市」。
残り15個は「近道・裏道」みたいなもんで、知ってるほど観戦が楽しくなちゃいます。
まずはこれだけ:寝技を読む「3秒チェック」
寝技が始まったら、観戦者はこの順でOK。
- 上か?下か?(誰がトップか)
- 下の脚は“距離・角度”をコントロールできてる?(ガードが機能してるか)
- 次の目的はどれ?(上=パス/固定→打撃 or 極め、下=戻す/返す/極め)
ここだけ脳内で言えたら勝ち
- 今のトップはどっち?
- 下の脚は“邪魔”になってる?(近づけない?角度が作れてる?)
- 次は「パス」「返し」「極め」のどれが近い?
例え話:
・あなたが実況者だとして「今サイドで上が押さえてます。下はガードを戻したい」って言えたら、もう理解者側です。
採点の超ざっくり補足
MMAの採点は、ざっくり言うと「見栄え」より有効性が優先されます。
優先順位はこう。
- 有効な打撃/有効な組技(何が“効いたか”?、勝負を動かしたか?)
- 有効な積極性(勝負を終わらせに行く攻めが、結果/影響を伴うか?)
- ファイティングエリアコントロール(ペース・場所・位置を誰が決めたか?)
初心者がハマりがちな誤解を、先に潰します。
- 誤解:「テイクダウンした=勝ち」
- 実際:テイクダウン自体が“決定打”とは限らない。その後に有効打・有利な展開・極めの脅威が出たかが重要
- 誤解:「ずっと上にいる=勝ち」
- 実際:“ただ押さえる”だけだと評価が伸びにくいことがある。ダメージ、極めの脅威、ポジション進行がセットだと強い
寝技の「地図」を持つと、ここが見えるようになります。
「ただ上にいる」のか?
「上が地図を進めてる(サイド→マウント→バック)」のか?
この差が、ラウンドの印象を決めがちです。
寝技の地図
【下の脚が機能してる】= ガード帯(まだ戦える) ↓ 上が越える(パス) 【脚が機能しにくい】= サイド/ノースサウス帯(かなり苦しい) ↓ さらに進む 【上が乗る】= マウント帯(殴れる・逃げづらい) 【背中を取る】= バック帯(チョーク最短ルート)
補足:
この記事には、MMAで“たまに見える”競技BJJ(ブラジリアン柔術)寄りの形(50/50、DLR、Xなど)も入れてます。
見えたらラッキー。知らないと「何やってるか不明」になりがちなゾーンなので、地図に入れておくと視野が広がります。
寝技:ポジション20選
※「基本の有利」は目安。打撃の有無、残り時間、体勢、ダメージで逆転は普通に起きます。
見方
- 基本の有利:目安(上/下/五分)
- 上の狙い:固定→打撃、パス、より上位へ、極め
- 下の狙い:フレームで距離、ガード再構築、スイープ、立ち直し、極め
【ガード系:下が“脚で戦える”エリア】
1. クローズドガード(Closed Guard)
- 基本の有利:五分〜状況次第(上は殴れる/下は極め・返しの脅威)
- 状態:下が脚を組んで相手の腰を挟む
- 上の狙い:姿勢を作る→脚を開く(ガードオープン)
- 下の狙い:姿勢を崩す→極め/スイープ
- 観戦ポイント:上の頭と背中が起きてるか、下が首・手首に触れてるか
2. オープンガード(Open Guard)
- 基本の有利:五分(距離管理の質で上下が入れ替わる)
- 状態:脚を組まず、足と膝で距離・角度を作る
- 上の狙い:足をさばいてパス
- 下の狙い:距離管理→崩し→スイープ
- 観戦ポイント:下の足・膝がフレームとして働いてるか(上が近づけてないか)
3. バタフライガード(Butterfly Guard / Hooks Guard)
- 基本の有利:五分〜下寄り(フックが効くと返しが速い)
- 状態:座り気味で、足(フック)を相手の内腿に入れる
- 上の狙い:上体を潰す→フックを殺してパス
- 下の狙い:重心を浮かせてスイープ
- 観戦ポイント:両フック+上体が起きる=返しが近い
4. ハーフガード(Half Guard)
- 基本の有利:やや上(ただし下の形次第で逆転)
- 状態:下が相手の片脚を自分の脚で止める
- 上の狙い:脚を抜いてパス
- 下の狙い:体を入れる→起きる/返す/ガード再構築
- 観戦ポイント:上の肩の圧、下のフレームが勝ってるか
5. ディープハーフ(Deep Half Guard)
- 基本の有利:五分(下が“潜り切れたら”下が強い)
- 状態:下が相手の脚の下に深く潜って重心をずらす
- 上の狙い:頭を外へ逃がす→潰してパス
- 下の狙い:重心を浮かせてスイープ
- 観戦ポイント:下の頭と肩が相手の脚の奥=返しが見える
6. ニーシールドハーフ(Knee Shield Half Guard)
- 基本の有利:五分(下が守りを作れると殴られにくい)
- 状態:膝を“盾”にして距離を確保
- 上の狙い:膝を潰す→上体を潰してパス
- 下の狙い:距離維持→立つ/ガード回復/返し
- 観戦ポイント:盾が相手の体幹に刺さってるか(押し返せてるか)
7. 50/50(Fifty-Fifty)
- 基本の有利:五分(角度を先に作った方が進む)
- 状態:互いの脚が対称に絡みやすい足絡み地帯
- 上/下の狙い:足を抜く・崩す・(状況/ルール次第で)足関節に移行
- 観戦ポイント:正面のままだと停滞しやすい、角度が作れた側が前進
8. Xガード(X Guard)
- 基本の有利:やや下(崩しから上を取りやすい)
- 状態:下が相手の片脚を両脚で“X”に絡めて崩す
- 上の狙い:足を抜く→距離を切る
- 下の狙い:バランスを崩してスイープ→上を取る
- 観戦ポイント:下が相手の腰の真下に入るほど崩しが強い
9. シングルレッグX(Single-leg X)
- 基本の有利:やや下(片足支配で倒しやすい)
- 状態:相手の片脚を絡めて、立ち姿勢を崩しやすい
- 上の狙い:足を外す→距離を取る/パスへ
- 下の狙い:倒して上を取る/(状況次第で)足関節へ
- 観戦ポイント:相手が片足で跳ねる=崩れが近い
10. デラヒーバ(De La Riva Guard / DLR)
- 基本の有利:五分〜下寄り(角度が作れると強い)
- 状態:下が相手の前脚を外側からフックして角度を作る
- 上の狙い:フックを外す→パス
- 下の狙い:角度で崩してスイープ
- 観戦ポイント:下が横にズレて正面を外すと崩しが加速
【トップ支配系:上が“越えて押さえる”エリア】
11. トップハーフ(Top Half Guard)
- 基本の有利:やや上
- 状態:上がハーフの上を取り、パスを狙える
- 上の狙い:脚を抜く→サイドへ
- 下の狙い:フレームで距離→ガード回復
- 観戦ポイント:上の肩と頭の位置が安定すると、下が起きづらい
12. サイドコントロール(Side Control)
- 基本の有利:上
- 状態:上が横から胸で押さえる
- 上の狙い:固定→打撃→マウント/バックへ
- 下の狙い:フレームで圧を外す→ガード回復
- 観戦ポイント:下の肘が内側に戻れるか(戻れないと削られやすい)
13. 袈裟固 (Kesa Gatame / Scarf Hold)
- 基本の有利:上(ただし腕を差されると揺れる)
- 状態:首・腕を抱えて体重を乗せる“圧”の形(通称「100キロ」)
- 上の狙い:圧で削る→打撃/移行
- 下の狙い:体を横へ逃がす/腕を差し戻す
- 観戦ポイント:上の腰が落ちてるほど、下は呼吸も動きも削られる
14. ノースサウス(North-South)
- 基本の有利:上
- 状態:上が相手の頭側へ回って押さえる
- 上の狙い:安定→チョークやサイド復帰
- 下の狙い:スペース作り→ガード回復
- 観戦ポイント:下の顔の向きが固定されると苦しい(逃げの方向が消える)
15. ニーオンベリー(Knee on Belly)
- 基本の有利:上(動ける・殴れる・移行できる)
- 状態:サイドから膝を体幹に置き、圧と機動力を両立
- 上の狙い:打撃→マウント/バックへ
- 下の狙い:膝を押して外す→逃げる
- 観戦ポイント:MMAでは短時間で通過しやすい、次の展開が速い
【勝ちに直結しやすい:マウント帯/バック帯】
16. マウント(Mount)
- 基本の有利:上(MMAでは特に危険地帯)
- 状態:上がまたがって乗る
- 上の狙い:姿勢キープ→パウンド→極め
- 下の狙い:ブリッジ&ヒップエスケープ(腰を逃がす)
- 観戦ポイント:上が膝を締めて腰が落ちると、下の“逃げるスペース”が消える
17. ハイマウント(High Mount)
- 基本の有利:上
- 状態:上が胸の上に高く乗り、腕を分離しやすい
- 上の狙い:腕十字・三角・パウンド
- 下の狙い:肘を戻す/腰をズラす
- 観戦ポイント:下の肘が体から剥がされたら、極めの匂い
18. バックコントロール(Back Control / Back Mount)
- 基本の有利:上(チョーク最短)
- 状態:背中を取り、フック(脚)で固定しやすい
- 上の狙い:リアネイキッドチョーク(RNC)へ
- 下の狙い:まず首の手→体をズラす
- 観戦ポイント:上の腕が顎を越えて深く入ると、決着が近い
19. ボディトライアングル(Body Triangle)
- 基本の有利:上(逃げを止めやすい)
- 状態:バックで脚を三角に組んで固定
- 上の狙い:固定→落ち着いてRNC
- 下の狙い:三角をほどく/角度を変える
- 観戦ポイント:攻防が“首の手+角度”に収束しやすい
20. タートル(Turtle)
- 基本の有利:状況次第(守りにも、背中を渡す入口にもなる)
- 状態:四つん這いで丸まる防御姿勢
- 上の狙い:背中へ回る/首を狙う/固定
- 下の狙い:立つ/ガードに戻す/スクランブルへ
- 観戦ポイント:タートルは“安全地帯”ではない。背中の取り合いが始まる
観戦力が一気に上がる「見るポイント」3つ
1) 頭の位置(Head Position)
頭と胸の位置は“重心の主導権”。
上が頭を安定させると潰しやすく、下は頭を自由にすると逃げやすい。
例え話:腕相撲と同じで、軸を取った方が強い。
2) フレーム(Frame)が作れてるか?
下が腕・膝で“支柱(フレーム)”を作れると、距離ができてガード回復が見える。
潰されると、逃げるためのスペースが消える。
例え話:満員電車。スペースがないと何もできない。
3) 下の脚が機能してるか?
下の脚が相手の距離・角度・姿勢を邪魔できている=まだ戦える。
脚が殺されて胸で潰されてる=パスが近い。
例え話:ドアの前に椅子を挟むと入って来れない、外されたら一気に入られる。
定番の流れ3本(これだけ覚えると試合が読める)
パターンA:ガード → パス → サイド → マウント
いちばん多い“地図どおり”のルート。
上が「安全に進む」ほど、下の選択肢が減る。
パターンB:ハーフ(下) → ガード回復 or 立ちへ
下の“戻すルート”。
フレームと膝シールドが鍵。ここができると「サンドバッグ化」を回避しやすい。
パターンC:タートル → バック → チョーク
守りのはずのタートルが、背中を渡す入口になることがある。
ここは首の手と角度の勝負。
30秒クイズ(定着させる最短ルート)
※コツ:答えを見ずに先に思い出すほど、記憶が強く残りやすいです。
- 下が脚で距離・角度をコントロールして戦える帯を何と呼ぶ?
- 上が下の脚のコントロールを越えていく行為は?
- 上がまたがって乗る、強いトップ支配は?
- 背中を取って首(RNC)に最短の支配は?
- 四つん這いで丸まる防御姿勢は?
おまけの1問
- 今見てる試合、寝技に入った瞬間の「3秒チェック」を口に出すなら何て言う?
さらに復習(1分)
「読んだだけ」で終わらせるのは、マジでもったいない。
理由はシンプルで人の記憶は一回で固まらない。
だから間隔を空けて、短く反復することで定着率がぐーんっと跳ね上がります!
UFCの試合がある週に行う
- クイズ1回(答えは見ないで先に言う)
- 同じクイズをもう1回やる
- さらにもう1回やる
理屈
- 人は「読む」より「思い出す」方が記憶が強化されやすい
- さらに、間を空けて繰り返すと長期定着しやすい
試合中にやる最小ルーティン(いちばんラクで強い)
- 寝技に入った瞬間だけ:「上?下?」「脚は機能してる?」「次はパス/返し/極め」どれだろう?
- ↑ができたら勝ち。一瞬で感じることができれば、そこが伸びしろ!
まとめ:寝技は「地図」が9割
寝技は、技名を暗記しなくてOK。
まずは地図(ポジション)で「今どこ?」を確定させるだけで、観戦の情報量が跳ねる。
合言葉はこれ:
「今どこ? 次どこ?(パス/返し/極め)」
最後に一言
寝技は“難しい”んじゃなくて、“現在地が分からない”だけ。
地図を持った瞬間、同じ映像が別ゲーになります。