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読了時間:約27分
この記事のポイント
- 結論:UFCベガス121はどんな夜だったのか?
- UFCベガス121の大会基本情報
- 全12試合、結果一覧
※本ページはアフィリエイト広告(PR)を含みます。本ページの情報は2026年9月時点のものです。試合開始時間、対戦カードが変更になる可能性あります。最新の配信状況はU-NEXTサイトや大会公式サイトにてご確認ください。
「1分38秒」っていう、最後の5分のほんの入り口…。
ラウル・ロサスJr.が、キャリア初のメインイベントを終わらせた時間です。
相手は39歳のハオニ・バルセロシュ。
2ラウンドから4ラウンドまでを押さえられ、21歳はポイントで負けたまま最終ラウンドに入っていきました。
そこから内側への足払いでテイクダウンを奪い、倒れたバルセロシュが動かなくなって試合が終了…。
事前記事では、ロサスJr.を「5連勝しても『まだ』って言われる21歳」として書きました。
直近3勝がすべて判定勝利で、倒し切る形から遠ざかっていたからです。
その21歳が、2023年11月以来のフィニッシュ勝利で6連勝としました!
ただし勝ち方は、誰も予想していなかった形でもありました…。
同じ夜、約1年2か月ぶりに戻ってきた中村倫也は、2ラウンドにリアネイキドチョーク(RNC)で一本負けしてしまいました…。
『ザ・アルティメット・ファイター(TUF)』シーズン34の決勝は男女とも決着し、男子は反則負けっていう形で優勝者が決まっています。
「結局、誰が勝って、何が起きたのか?」をまず知りたい人のために、この記事は主要結果を最初に置いています。
そのうえで、事前に注目していた4試合の詳しい展開と、ボーナス受賞者、勝者の試合後コメントもまとめました。
この記事を読めば、UFCベガス121(ロサスJr. vs バルセロシュ)の全12試合の結果、注目4試合(ロサスJr. vs バルセロシュ、中村倫也 vs ヒースタンド、TUF 34の男女決勝)の詳しい展開と今後への影響、そして10万ドル(約1,600万円)を持ち帰った4人が分かります。
「結果だけ早く知りたい」人にも、「試合の中身までじっくり知りたい」人にも対応できる構成にしています。
読了目安は約20分です。
事前記事の見立ては、どうなった?
事前記事で書いた見立てと、実際に起きたことを先に並べておきます。
この試合の見どころ事前記事はこちら
結論:UFCベガス121はどんな夜だったのか?
一言で言うなら、「最後の5分で、順番がひっくり返った夜」となりました。
理由は3つ。
- 【理由1】
メインイベントで、バンタム級12位のラウル・ロサスJr.が13位のハオニ・バルセロシュに5ラウンド1分38秒のTKO(スラム)で勝利。4ラウンドまでは報道ベースの採点でバルセロシュが先行していたが、最終ラウンドのテイクダウンで試合が止まった。6連勝で、この試合はファイト・オブ・ザ・ナイト(FOTN)に選ばれた。 - 【理由2】
約1年2か月ぶりの復帰戦だった中村倫也が、ブレイディ・ヒースタンドに2ラウンド4分7秒のリアネイキドチョーク(RNC)で一本負け。プロ12戦目で、初めてフィニッシュされた負けとなった。 - 【理由3】
TUF 34の決勝は、女子ストロー級でティナ・ブラックが無敗のメリッサ・アマヤを2ラウンドTKO。男子バンタム級はメヘメダリ・オスマンリの反則の膝蹴りで、イリムベク・アキルベクの反則勝ちとなった。
UFCベガス121の大会基本情報
- 【大会名】
UFC Fight Night: Rosas Jr. vs Barcelos - 【開催日】
2026年9月26日(土)現地時間 / 日本時間2026年9月27日(日)午前6:00プレリム、午前9:00メインカード - 【開催地】
アメリカ・ネバダ州ラスベガス、UFC施設内にある「Meta APEX」 - 【カード規模】
メインカード5試合・プレリム7試合の全12試合 - 【この大会の位置づけ】
タイトルマッチはなく、『ザ・アルティメット・ファイター(TUF)』シーズン34の男女決勝2試合を含む大会。メインカード第3試合はミッキー・ガルの欠場を受け、ルイス・ヘルナンデスが2日前の通知で代役に入った。24人全員が計量をクリアしている。
※本記事の試合結果はUFC公式スコアカード・UFC公式の結果記事・ufcstats.comで確認し、複数のMMA専門メディアで照合したものです。メインイベントの決着は、UFC公式スコアカードの表記「TKO(slam)」を採用しました(一部の媒体は「KO」と表記しています)。ルイス・ヘルナンデスの決着時間は、ufcstats.comとUFC公式の結果記事本文の「57秒」に合わせて0:57としました(UFC公式スコアカード記事とボーナス記事は0:50と表記しています)。選手名のカタカナ表記はUFC公式イベントページと各選手ページに準拠しています。
全12試合、結果一覧
メインカードからプレリムまで、UFCベガス121全12試合の結果です。決着方法・ラウンド・時間は複数情報源で確認できたものを記載しています。★はボーナス受賞者です。
| カード | 勝者 | 決着方法 | ラウンド / 時間 |
|---|---|---|---|
| メインイベント (バンタム級) |
ラウル・ロサスJr. | TKO(スラム) ★FOTN |
5R 1:38 |
| コ・メイン (女子バンタム級) |
アイリーン・ペレス | UD(29-28、29-28、29-28) | 3R 5:00 |
| メインカード (ライトヘビー級) |
ルイス・ヘルナンデス | サブミッション(ギロチンチョーク) ★POTN |
1R 0:57 |
| TUF 34決勝 (バンタム級) |
イリムベク・アキルベク | 反則勝ち(倒れた相手への膝蹴り) | 1R 2:19 |
| TUF 34決勝 (女子ストロー級) |
ティナ・ブラック | TKO(パンチ) ★フィニッシュ |
2R 3:19 |
| プレリム (バンタム級) |
ブレイディ・ヒースタンド | サブミッション(リアネイキドチョーク / RNC) ★フィニッシュ |
2R 4:07 |
| プレリム (ミドル級) |
ホドルフォ・ヴィエイラ | UD(30-27、30-27、30-27) | 3R 5:00 |
| プレリム (ライトヘビー級) |
クリスチャン・エドワーズ | TKO(左フック) ★フィニッシュ |
3R 1:47 |
| プレリム (ライト級) |
エルヴィス・ブレナー | TKO(パンチ) ★フィニッシュ |
1R 4:14 |
| プレリム (バンタム級) |
モンテル・ジャクソン | TKO(パンチ) ★フィニッシュ |
2R 2:39 |
| プレリム (バンタム級) |
アラトゥン・ヘイリー | SD(29-28、28-29、29-28) | 3R 5:00 |
| プレリム (女子ストロー級) |
ジャスミン・ハウレギ | TKO(パンチ) ★POTN |
1R 1:02 |
※UD=ユナニマス判定、SD=スプリット判定。★FOTN=ファイト・オブ・ザ・ナイト(各10万ドル / 約1,600万円、勝者と敗者の両方に贈られます)、★POTN=パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(各10万ドル / 約1,600万円)、★フィニッシュ=フィニッシュボーナス(各2.5万ドル / 約400万円、FOTN・POTNとの重複受賞はなし)。TUF 34決勝(バンタム級)は、公式表記では「disqualification(illegal knee)」です。アキルベクが倒れた場面について、UFC公式の結果記事は「足を滑らせて膝をついた」、Sherdogは「オスマンリの左のパンチでバランスを崩した」と記述が分かれています。出典:UFC公式サイト(2026年9月27日確認)
ボーナス受賞者
- 【ファイト・オブ・ザ・ナイト(FOTN)(各10万ドル / 約1,600万円)】
ラウル・ロサスJr. vs ハオニ・バルセロシュ - 【パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(POTN)(各10万ドル / 約1,600万円)】
ルイス・ヘルナンデス、ジャスミン・ハウレギの2名 - 【フィニッシュボーナス(FB)(各2.5万ドル / 約400万円)】
ティナ・ブラック、ブレイディ・ヒースタンド、クリスチャン・エドワーズ、エルヴィス・ブレナー、モンテル・ジャクソンの5名
12試合のうち、判定まで行ったのはたったの3試合だけ。
反則決着を除いても8試合がフィニッシュで終わり、ボーナスを受け取った勝者は9人にのぼりました!
ファイト・オブ・ザ・ナイト(FOTN)は、4ラウンドにわたって互いに攻め合ったメインイベントに贈られています。
※ボーナスの受賞者はUFC公式サイトのボーナス記事で確認しました。金額は同記事に記載がないため、複数のMMA専門メディアで一致した金額を採用しています。円換算は1ドル160円で計算した概算です。
4ラウンド負けていた21歳は、なぜ最後の5分で終わらせられたのか?
- 【1ラウンド】
ロサスJr.が打撃で先行。バルセロシュは顔を切った - 【2〜4ラウンド】
バルセロシュがテイクダウンと背後からの攻めで巻き返す - 【5ラウンド】
ロサスJr.の足払いで倒れたバルセロシュが動かなくなり、1分38秒で決着
※ラウンドごとの優劣は、MMA専門メディアSherdogの記者3人による採点(非公式)です。3人とも1ラウンドをロサスJr.、2〜4ラウンドをバルセロシュに付けています。
UFC公式インタビュー
※以下はUFC公式YouTubeチャンネルが公開した、試合後オクタゴンインタビューです。

ロサスJr.は勝ち名乗りのあと、まず会場に向かって、バルセロシュのために祈ってほしいと呼びかけました。
そのうえで、相手を「戦士」と呼んでいます。
勝った側が真っ先に相手の話をする、それだけ異様な終わり方でもありました。
- 【対戦】
・ラウル・ロサスJr.(Raul Rosas Jr. /

)(#12 / 14-1)
・ハオニ・バルセロシュ(Raoni Barcelos /

)(#13 / 22-6) - 【階級】バンタム級 / Bantamweight(135ポンド / 約61kg)
- 【結果】ラウル・ロサスJr. 勝利(TKO:スラム)
- 【ラウンド / 時間】5R 1:38
試合結果まとめ
- 1ラウンド、ロサスJr.がワンツーとアッパーで先行し、バルセロシュは顔を切った
- 2ラウンドからバルセロシュがボディへの打撃とテイクダウンで盛り返し、3ラウンドと4ラウンドは背後を取ってボディトライアングルと首への攻めを続けた
- 5ラウンド、ロサスJr.が内側への足払いでバルセロシュを倒すと、バルセロシュは落ち方が悪く動かなくなった
- 異変に気づいたロサスJr.がレフェリーに合図し、1分38秒で試合が止まり、その後バルセロシュは担架で運び出された
分析
事前記事では、この一戦を「17歳で契約した21歳は、なぜ5連勝しても『まだ』と言われるのか?」っていう問いで書きました。
UFCでの最初の3勝はすべてフィニッシュ勝利。ところが直近3試合はすべて判定勝利で、倒し切る形から遠ざかっていたからです。
最初の5分は、その評価を覆しにいく内容となりました。
ロサスJr.はワンツーとアッパーを当て続け、バルセロシュの顔を切っています。
UFC公式の結果記事も、打撃が大きく良くなっていたと書いています。
ところが2ラウンドから、流れはベテランの側へ移っていきました。
バルセロシュはボディへの打撃を混ぜながらテイクダウンを重ね、3ラウンドと4ラウンドには背後を取ってボディトライアングルで固めています。
4ラウンドには首への攻めが続き、ロサスJr.は下から親指を立てて大丈夫だっていう風に見せる場面までありました。
公式のジャッジも、4ラウンド終了時点では3人ともバルセロシュをリードとしていたと報じられています。
そして最終5ラウンド。
バルセロシュのテイクダウンをしのいで立ち上がったロサスJr.が、今度は自分から内側への足払いを仕掛けました。
倒れたバルセロシュは頭から落ちたように見え、そのまま動かなくなってしまいました…。
打撃が当たったわけでもない…。
それで試合はそこで終わり、判定なら負けていた可能性の高い21歳が、フィニッシュで勝ち名乗りを受けることになりました。
21歳の6連勝は、どこまで届くのか?
ロサスJr.はこれでプロ戦績14勝1敗、6連勝!
2023年11月のUFC 295以来、約2年10か月ぶりのフィニッシュ勝利となりました。
2026年3月のUFC 326でロブ・フォントに判定勝利したところからの、約7か月ぶりの白星となりました。
本人が掲げてきた目標は、UFC史上最年少の王者。
現在の記録はジョン・ジョーンズの23歳242日で、ロサスJr.は10月に22歳になります。
ランキング12位から、どこまで上がるかは次回のランキング更新を待つことになります。
ただ、この勝ち方を「完成した」と見るのは早いと思います。
4ラウンドまでの内容だけを見れば、背後を取られる時間が長かったのはロサスJr.のほうでもありました。
敗れたバルセロシュはプロ戦績22勝6敗。
5連勝中だった39歳の連勝が、ここでストップ…。
試合後は頭部と首の検査のため病院へ運ばれ、意識はあると報じられています。
UFCで16戦目にして初めて立ったメインイベントで、4ラウンドまで試合を支配していた内容でしたが、FOTNの10万ドル(約1,600万円)も、記録としては残ります。
まとめ
ロサスJr.が勝ったのは、4ラウンドまでの打ち合いや寝技の攻防を制したからではない。
最後の5分で、自分から仕掛けたテイクダウンが決着につながった。
- 【勝因】
2〜4ラウンドを落としながら背後からの首への攻めをしのぎ切り、5ラウンドに自分から足払いを仕掛けたこと - 【記録】
14勝1敗で6連勝。2023年11月以来のフィニッシュ勝利となった - 【今後】
次戦は正式決定していない。UFC史上最年少王者の記録を目標に掲げている
1年2か月ぶりの中村倫也は、どこで背中を渡してしまったのか?
UFC公式インタビュー

ヒースタンドはこの試合後のオクタゴンインタビューで、次はランキング入りの選手と戦いたいと求めました。
2024年6月以来、2年3か月ぶりの試合で、4連勝と3試合連続のフィニッシュ勝利をそろえたうえでの要求となりました。
- 【対戦】
・ブレイディ・ヒースタンド(Brady Hiestand /

)(NR / 10-2)
・中村倫也(Rinya Nakamura /

)(NR / 10-2) - 【階級】バンタム級 / Bantamweight(135ポンド / 約61kg)
- 【結果】ブレイディ・ヒースタンド 勝利(サブミッション:リアネイキドチョーク / RNC)
- 【ラウンド / 時間】2R 4:07
試合結果まとめ
- 1ラウンド、中村はサウスポーから内側へのローキックとボディへの蹴りを重ね、ヒースタンドは前に出て組みを狙い続けた
- 2ラウンド、中村の片足タックルにヒースタンドががぶり、アナコンダチョークを仕掛けた。中村は転がって脱出
- その後もケージ際の組み合いが続き、ヒースタンドのテイクダウンから中村が転がったところで背後を取られた
- ヒースタンドは両脚で胴を挟むボディトライアングルで固め、2ラウンド4分7秒にリアネイキドチョーク(RNC)でタップを奪い勝利した
分析
事前記事では、この試合を「2年以上ぶり」と「1年2か月ぶり」のぶつかり合いとして書きました。
テイクダウンを取りたい者同士で、倒される側に回った時間の長さが、そのまま採点に出るタイプの試合になりそうだと考えていました。
1ラウンドは、中村の蹴りがよく当たっていました。
内側へのローキックを繰り返し、会場に響くほどのボディへの蹴りも入っています。
それでもヒースタンドは下がらず、前に出て組みを狙い続けました。
分かれ目になったのは、2ラウンドの入り口だったと思います。
仕掛けたのは中村のほうでした。
ところがその片足タックルに、ヒースタンドが上からがぶってアナコンダチョークを合わせます。
レスリングの入り口が、そのまま相手の絞め技の入り口に使われた形となりました。
中村は一度そこを何とか脱出!
ただ、その後の組み合いで転がった瞬間に背中を渡し、ボディトライアングルで固められてしまいました…。
UFC公式の結果記事も、ヒースタンドが最初から組みの展開を狙っていたと書いています。
中村倫也は、ここからどう立て直すのか?
中村はこれでプロ戦績10勝2敗。
2025年1月のUFC 311でムイン・ガフロフに判定で敗れて以来、UFCで2つ目の黒星となりました。
プロ12戦目で、初めてフィニッシュされ負けてしまいました…。
試合後、中村はSNSで、絶対に勝てると思って臨んだこと、こういう負け方はレスリング時代を含めても初めてかもしれないことを書いていました。
そのうえで、この生き方しか知らないし格闘技が大好きなので、学んで成長していく覚悟だと続けています。
ヒースタンドはプロ戦績10勝2敗、UFCでは4連勝!
試合後には、U-23の世界王者を相手にバックを取ってチョークを極めたのは誰なのか、スタッツを見てほしいと話していました。
2024年2月のUFC 298で一度組まれながら流れた対戦カードは、2年7か月越しに、ヒースタンドの一本勝ちで答えが出たことになります。
まとめ
中村が負けたのは、打撃で押されたからではない。
自分のタックルが、相手の絞め技の入り口になってしまったから。
- 【勝因】
中村の片足タックルにアナコンダチョークを合わせ、組み合いの中で背後を取り切ったこと - 【記録】
ヒースタンドは10勝2敗でUFC4連勝。中村はプロ12戦目で初めてのフィニッシュ負けとなった - 【今後】
両者とも次戦は正式決定していない。ヒースタンドはランキング入りの選手との対戦を要求している
TUF男子決勝は、なぜ2分19秒の反則で終わったのか?

- 【対戦】
・メヘメダリ・オスマンリ(Mahammadali Osmanli /

)(NR / 13-2)
・イリムベク・アキルベク(Ilimbek Akylbek /

)(NR / 12-3) - 【階級】バンタム級 / Bantamweight(135ポンド / 約61kg)
- 【結果】イリムベク・アキルベク 勝利(反則:倒れた相手への膝蹴り)
- 【ラウンド / 時間】1R 2:19
試合結果まとめ
- 開始直後からアキルベクが大きく踏み込むパンチで前に出て、片足タックルでテイクダウンを奪った
- オスマンリは下からの打撃でしのぎ、相手を持ち上げて立ち上がった
- 立ち上がった直後、アキルベクがマットに膝をついたところへ、オスマンリが頭部へ膝蹴りを打ち込んだ
- アキルベクは試合を続けられず、オスマンリの反則負けで、1ラウンド2分19秒にアキルベクの優勝が決まった
分析
事前記事では、この決勝を「同じチーム・ビスピンにいた2人の対決」として書きました。
番組の収録中にスパーリングをきっかけに険悪になり、コーチ陣に2度引き離された2人です。
オスマンリは準決勝で、UFCでは決まったことがないとされる技のバギーチョークを予告どおりに極めていました。
試合は、その関係がどう出るかを見る前に終わってしまった…。
UFCのルールでは、手や膝をマットについた「グラウンド状態」の相手の頭部へ膝蹴りを当てることは反則となっています。
アキルベクが膝をついた瞬間に、オスマンリは全力の膝を打ち込んでしまいました。
アキルベクはしばらくマットから起き上がれず、試合はそのまま止められました。
膝をついたきっかけは、情報源で書き方が分かれています。
UFC公式の結果記事は「アキルベクが足を滑らせた」や「オスマンリの左のパンチで崩れた」っていう風に記述しています。
どちらだったとしても、倒れた相手への膝であることに変わりはありません。
この決勝は、やり直されるのか?
アキルベクはこれでプロ戦績12勝3敗。
キルギス出身の選手として初めてTUFを制し、しかも反則勝ちで優勝した初めての選手になったと、UFC公式は伝えています。
ONE Championshipで2連敗してから、番組を勝ち抜いてUFC契約までたどり着いたことになります。
敗れたオスマンリはプロ戦績13勝2敗。
UFC公式の結果記事は、判断そのものは正しかったとしたうえで、近いうちに2人の再戦が組まれる可能性にも触れています。
ただし、記事執筆時点で再戦は正式に発表されていません。
まとめ
TUF男子決勝は、どちらが強いかを確かめる前に終わってしまった。
残ったのは、優勝者と反則の記録だけとなりました。
- 【勝因】
テイクダウンで先に主導権を握っていたところで、オスマンリの反則により試合が止まったこと - 【記録】
アキルベクは12勝3敗。キルギス出身初のTUF優勝者となった - 【今後】
次戦は正式決定していない。UFC公式は再戦の可能性に触れている
一度も倒されていない30歳は、無敗の9勝をどう止めたのか?
UFC公式インタビュー

TUF 34の女子ストロー級を制した直後の、ブラックのオクタゴンインタビューです。
この優勝で、ブラックはブラジル人女性として初めてのTUF優勝者となりました。
- 【対戦】
・メリッサ・アマヤ(Melissa Amaya /

)(NR / 9-1)
・ティナ・ブラック(Tina Black /

)(NR / 17-4) - 【階級】女子ストロー級 / Women’s Strawweight(115ポンド / 約52kg)
- 【結果】ティナ・ブラック 勝利(TKO:パンチ)
- 【ラウンド / 時間】2R 3:19
試合結果まとめ
- 1ラウンド、ブラックがジャブとワンツーで距離を支配し、終盤に右のパンチ2発でアマヤからダウンを奪った
- アマヤは鼻から出血しながら立ち上がり、ラウンド終了間際に右のパンチを返してブラックを効かせた
- 2ラウンド、ブラックは打ち急がずに組み立て、右フックでアマヤをぐらつかせてから連打をまとめた
- 振り下ろすような右のパンチで再びダウンを奪い、追撃のパンチでレフェリーが止めた。2ラウンド3分19秒のTKO勝利
分析
事前記事では、この決勝を「倒して勝ってきた無敗の9勝と、20戦で一度も倒されていない選手」の対決として書きました。
どちらの記録が先に途切れるのかが、そのまま試合の焦点になると考えていたんです。
結果、途切れたのは、アマヤの「無敗」のほうでした。
しかもブラックは、倒されないだけでなく、自分から倒しにいって試合を終わらせています。
分かれ目は、1ラウンドの最後と2ラウンドの入り方の違いにあったと思います。
1ラウンド、ブラックはダウンを奪ったあと一気に詰めにいき、終了間際にアマヤの右のパンチをもらいました。
2ラウンドは、そこで打ち急ぐのをやめています。
UFC公式の結果記事も、2ラウンドのブラックは相手を効かせたあと、落ち着いて打つ場所を選んでいたと書いています。
アマヤの側にも、見せ場はありました。
ダウンを奪われ、出血しながら立ち上がり、1ラウンドの最後に打ち返しています。
番組でアナ・メリサノとジジ・カヌートを倒して勝ち上がってきた勢いは、最後まで消えていなかったと思います。
TUF優勝の先に、何があるのか?
ブラックはこれでプロ戦績17勝4敗、そして4連勝!
2021年のダナ・ホワイトコンテンダーシリーズ(DWCS)でピエラ・ロドリゲスに判定で敗れ、一度はUFC契約を逃した選手が、5年越しにその契約を取り戻したことになります。
UFCと契約するまでブラジルには帰らない、と番組で話していた選手でもあります。
大会前には、TUFのトロフィーの先にUFCのベルトがあると話していました。
敗れたアマヤはプロ戦績9勝1敗。
看護師として働きながら競技を続けてきた選手が、プロ10戦目で初めて負けてしまいました…。
まとめ
ブラックが勝ったのは、倒されない選手だったからではない。
1ラウンドで打ち急いだ反省を、2ラウンドの組み立てに持ち込み適応したから。
- 【勝因】
1ラウンドにダウンを奪ったあと、2ラウンドは打ち急がずに右のパンチを当てる場所を選んだこと - 【記録】
17勝4敗で4連勝。ブラジル人女性として初めてのTUF優勝者となった - 【今後】
次戦は正式決定していない。UFC契約を得て、ストロー級での戦いが始まる
注目試合以外で、印象に残った試合
この夜でいちばん順位に近いところが動いたのは、注目試合の外にあるコ・メインでした。
女子バンタム級4位 vs 5位は、判定で割れなかった
アイリーン・ペレスが、女子バンタム級4位のノルマ・ドゥモンを29-28、29-28、29-28の3-0の判定で下しました。
これでペレスはプロ戦績14勝2敗となり7連勝!
ドゥモンはプロ戦績13勝4敗となり、2連敗となりました…。
前日の計量後の向かい合いでドゥモンがコンドームとお札を投げつけ、試合前のグローブタッチもなかった2人です。
ただし試合そのものは、UFC公式の結果記事が「期待されたほど激しくはなかった」と書く内容となりました。
1ラウンドはペレスが蹴りをつかんでテイクダウン。2ラウンドはドゥモンがテイクダウンと打撃で取り返し、3ラウンドはケージ際の組み合いが続いています。
ペレスは試合後、あらためて王座挑戦を求めました。
UFC女子バンタム級のベルトは、11月に王者ケイラ・ハリソンとアマンダ・ヌネスが争う予定と報じられています。
2日前に呼ばれたヘルナンデスが、57秒で終わらせた
ミッキー・ガルの欠場を受けて、ルイス・ヘルナンデスが試合2日前のオファーでセドリクエス・ドゥマスとの試合に入りました。
ダナ・ホワイトコンテンダーシリーズ(DWCS)で契約を勝ち取ってから、わずか11日後のUFCデビュー戦でもあります。
最初に出した左のパンチが当たり、そこから組みついてギロチンチョーク。
立ったまま締め上げ、1ラウンド57秒でタップを奪い勝利しています!
これでプロ戦績9勝0敗、9勝すべてがフィニッシュ勝利!パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(POTN)の10万ドル(約1,600万円)のボーナスを獲得しました。
そのほかの試合
プレリムの第1試合では、ジャスミン・ハウレギがヴァネッサ・デモポロスを1ラウンド1分2秒のTKOで止めました。
約2年ぶりの試合で、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(POTN)の10万ドル(約1,600万円)を持ち帰っています。プロ戦績12勝2敗!
デモポロスはプロ戦績11勝9敗で、4連敗となりました…。
バンタム級では、モンテル・ジャクソンがリッキー・シモンを2ラウンド2分39秒のTKOで下しました。
2018年にプロ初黒星を付けられた相手へのリベンジで、プロ戦績16勝4敗としています。
この2人は、どちらもメインイベントのバルセロシュに判定で敗れていた選手でもあります。
ライト級では、エルヴィス・ブレナーがジョサイア・ハレルを1ラウンド4分14秒の右フックからのTKOで仕留め、3連敗をストップ!プロ戦績17勝6敗となりました。
ライトヘビー級では、クリスチャン・エドワーズがホドルフォ・ベラトに1ラウンドでダウンを奪われながら、3ラウンド1分47秒に左フックでTKO勝利。UFC初勝利です!
ミドル級のホドルフォ・ヴィエイラはロベルト・ブリチェックを30-27×3の判定で下し、2連敗をストップしました。
バンタム級のアラトゥン・ヘイリーは、ジョン・キャスタネーダにスプリット判定勝利。前半を取られながら、3ラウンドのテイクダウンで取り返しています。
この大会前に掘り下げたnote記事
大会後のnote記事
結局、このUFCベガス121はどんな夜だったのか?
事前記事の時点で分かっていたのは、21歳と39歳が、そろって初めてのメインイベントに立つっていうことでした。
蓋を開けてみると、その2人の試合は4ラウンドまではベテランの側に傾き、最後の5分の入り口でひっくり返りました。
判定なら負けていた可能性の高い21歳が、打撃ではなく足払いで試合を終わらせています。
そして同じプレリムでは、中村倫也が自分のタックルを起点に背中を渡し、TUFの男子決勝は2分19秒の反則で優勝者が決まりました。
先に試合を作っていた側が、最後まで勝ち切れなかった夜でもあったと思います。
メインのバルセロシュも、1ラウンドの中村も、1ラウンドのオスマンリもそうでした。
フィニッシュ決着は12試合のうち8つ。
反則決着を含めると9試合が判定の前に終わり、ボーナスを受け取った勝者は9人にのぼっています。
選手の今後
- 【ラウル・ロサスJr.】
ファイト・オブ・ザ・ナイト(FOTN)10万ドル(約1,600万円)のボーナスを獲得し、プロ戦績14勝1敗で6連勝。次戦は正式決定していない。 - 【ハオニ・バルセロシュ】
5連勝がストップし、プロ戦績22勝6敗。試合後は頭部と首の検査のため病院へ運ばれ、意識はあると報じられている。まずは回復が最優先で、次戦は未定。 - 【ブレイディ・ヒースタンド】
フィニッシュボーナス(FB)2.5万ドル(約400万円)を獲得し、UFC4連勝。ランキング入りの選手との対戦を要求している。 - 【中村倫也】
プロ戦績10勝2敗。初めてのフィニッシュ負けから、学んで成長していく覚悟をSNSでつづった。次戦は正式決定していない。 - 【イリムベク・アキルベク】
TUF 34のバンタム級を制し、UFC契約を獲得。プロ戦績12勝3敗。次戦は正式決定していない。 - 【メヘメダリ・オスマンリ】
反則負けでプロ戦績13勝2敗。UFC公式は再戦の可能性に触れているが、正式な発表はまだない。 - 【ティナ・ブラック】
TUF 34の女子ストロー級を制し、フィニッシュボーナス(FB)2.5万ドル(約400万円)も獲得。プロ戦績17勝4敗で4連勝!次戦は正式決定していない。 - 【メリッサ・アマヤ】
プロ10戦目で初黒星となり、プロ戦績9勝1敗。次戦は正式決定していない。
大会を振り返るための3ステップ
- 【STEP1】
メインイベントの5ラウンドだけを見返して、ロサスJr.がどこから足払いに入ったかを確かめてみる。 - 【STEP2】
中村倫也の試合の2ラウンド冒頭を見て、片足タックルがどうアナコンダチョークにつながったかを追ってみる。 - 【STEP3】
全12試合の結果表で、判定まで行った試合が3つしかなかったことを数えてみる。
この結果、あなたはどこまで押さえられた?自己診断チェック
- ロサスJr.が4ラウンドまでリードされていたのに、なぜ勝てたのか説明できる?
- 中村倫也が背中を渡すまでの流れを、タックルから順に思い出せる?
- TUF男子決勝が反則で終わった理由(どんな膝蹴りが反則なのか)が分かる?
Noが1つでもあれば、上の各見出しに戻って読み返せば解決できます。
- 見逃した試合の配信状況については、UFC視聴方法ガイドでも詳しく紹介しています。
- 過去大会の結果記事は、UFC大会結果アーカイブ|2025-2026年 全大会の結果・プレビュー記事まとめから大会別にたどれます。
よくある質問
Q1メインイベントの結果は? タップで答え
- 2〜4ラウンドはバルセロシュがテイクダウンと背後からの攻めで優勢だった。
- 5ラウンド、ロサスJr.の足払いで倒れたバルセロシュが動かなくなり、試合が止まった。
- ロサスJr.はプロ戦績14勝1敗で6連勝。ランキングの動きについては、UFCランキングは順番待ちじゃない!仕組みと理由を解説で詳しく紹介しています。
Q2中村倫也のUFCの試合結果は?次戦は決まっている? タップで答え
- 約1年2か月ぶりの復帰戦で、プロ12戦目にして初めてのフィニッシュ負けとなった。
- プロ戦績は10勝2敗。UFCでの黒星は2つ目。
- 階級はバンタム級(135ポンド / 約61kg)で、UFC公式ランキングには入っていない。
Q3ボーナスは誰が受賞したの? タップで答え
- フィニッシュボーナス(FB)(各2.5万ドル / 約400万円):ティナ・ブラック、ブレイディ・ヒースタンド、クリスチャン・エドワーズ、エルヴィス・ブレナー、モンテル・ジャクソンの5名。
- ルイス・ヘルナンデスの1ラウンド57秒の一本勝ちが、この夜で最も早い決着だった。
- 12試合のうち判定まで行ったのはたったの3試合だけだった。
Q4TUF 34の優勝者は誰? タップで答え
- 男子決勝は、メヘメダリ・オスマンリが倒れた相手の頭部に膝蹴りを当てて反則負けとなった(1ラウンド2分19秒)。
- 女子決勝は、ブラックが無敗のメリッサ・アマヤを2ラウンド3分19秒のTKOで下した。
- TUF・DWCS・RTUの違いは、TUF・DWCS・RTUの違いって何?UFC初心者が知っておくべき”登竜門”3番組を一気に解説で詳しく紹介しています。
Q5見逃した試合はどこで確認できる? タップで答え
※試合結果とボーナス情報は本記事執筆時点でUFC公式サイトの結果ページ・公式スコアカードおよび複数のMMA専門メディアで照合したものです。対戦ブロックのランキングは試合前時点のもので、順位はUFC公式イベントページ(メディア投票ランク)に準拠しています。戦績は本記事全体で試合後の数字です。UFC公式選手ページの戦績が記事執筆時点で未更新だったイリムベク・アキルベクとクリスチャン・エドワーズは、ufcstats.comの試合後の数字を採用しました。戦績はUFC公式サイトの数え方に合わせました(ロサスJr.は、一部のデータベースでは1勝少なく数えられています)。UFCは2026年6月からメディア投票ランクとMeta Rankingsを別集計しているため、参照するページによって順位が異なる場合があります。ランキングは大会後に更新されるため、本記事の順位表記は大会時点の目安としてお読みください。
まとめ
21歳と39歳が、そろって初めてのメインイベントに立った大会でした。
4ラウンドまでは、39歳のほうが試合を作っていました。
それでも最後の5分の入り口で、21歳が自分から仕掛けたテイクダウンが決着につながっています。
プレリムでは中村倫也が自分のタックルを起点に背中を渡し、TUFの男子決勝は反則で優勝者が決まりました。
先に試合を作っていた側が、最後まで勝ち切れなかったっていうわけです。
ただし、ロサスJr.の勝ち方をそのまま「完成」と呼ぶのは早いと思います。
6連勝と2023年11月以来のフィニッシュは記録として残る一方で、背後を取られ続けた2〜4ラウンドも同じ試合の中にありました。
次に誰と組まれるかで、この1勝の重さはたぶん変わってくるはずです。
次回大会の視聴予定を立てる人は、配信スケジュールや料金の最新情報をU-NEXTのUFCページで確認できます。![]()
※この記事の情報は、2026年9月27日時点でUFC公式サイトおよび各種MMA専門メディアの報道をもとに確認したもので、ランキング・戦績は大会後に更新されるため、最新情報はご自身で都度公式サイトで確認して下さい。
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※本ページの情報は2026年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。